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旅館 元奈古(りょかん もとなご)

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祇園・高台寺で“はんなり”を体感

京都 旅館「旅館 元奈古」

艶やかな祇園界隈から八坂神社を右手に行くと、静けさに包まれた懐かしい情景に身を包まれる。長く連なる石畳“ねねの道”、軒を連ねる日本家屋、見上げれば秀吉の夫人・北政所ゆかりの高台寺…。まさに“はんなり”としたロケーションに佇むのが料理旅館「元奈古」だ。この屋号は万葉集の中からとった言葉で、古い都という意味。その昔、高貴な人々が集い、憩う社交場の名称だったとも言われている。

漂うのは古き良き時代の気配

京都 旅館「旅館 元奈古」

味わい深い土壁を眺めつつ瓦屋根の玄関をくぐると、正面に飾られている年代物の襖絵(板戸)に目を奪われる。足利時代の作品で、唐装束に身を固めた貴族達が踊っているかのように見えるこの絵は、往時の祝いのセレモニー“ぎっちょう”を描いたもの(写真参照)。その上には屋号の記された大きな扇、視線を移せば懐かしい振り子時計。明治時代から時を刻み、今なお心地いい音色を響かせる。屋内のそこかしこに芸術的な欄間があり、四季を移す日本庭園が心を洗う。手足を伸ばしてくつろぐも良し、付近の名所旧跡をめぐるも良し。夕食はそれぞれの部屋で、京野菜などの旬を奏でる会席料理に舌鼓…。この満足感が手軽な料金で手に入るのだから、リピーターや連泊の利用者が後を絶たないのも無理はない。

京都 旅館「旅館 元奈古」
京都 旅館「旅館 元奈古」

慎ましやかな宿だからこそ

「元奈古」の部屋数は全11室。ご主人の大藤政治さんは「この規模だからできることに懸命に取り組んでいます」と話す。料理を例にあげるなら、厨房でできたばかりの一品、二品をその都度部屋まで運ぶ。そのうえ箸の進み具合を料理人に伝え、可能な限りペースを合わせるとか。「ウチが提供するのは京会席の原点。素材の味わいを重視した純和風料理であり、だからこそ最高の状態でお召し上がり頂きたいのです。お昼の“ねね御膳(松花堂弁当)”も評判いいんですよ」。ちなみに木の香りが心地よい浴場は、貸し切りで利用できる場合もあるとか。これもこじんまりした宿ならではのメリットと言える。

非日常が旅の醍醐味

京都 旅館「旅館 元奈古」

お部屋でゆったりと朝食を味わった後、ぶらりと出掛ける散策コースにも事欠かない。例えば清水寺までは二年坂、三年坂を通って20分もあれば着く。しかも都会の雑踏とは無縁の道のり。玄関を出て石畳を踏んだ瞬間から、世俗とは隔絶された歴史ロマンの世界が堪能できるのだ。二階の部屋の窓から眺める風景も情緒にあふれ、時折響く鐘の音が心に染みる。“ねねの道”を見下ろせば、観光客に交じって舞妓さんの姿がちらほら。早朝には修行僧を見かけることもあるという。

掲載情報は2007年9月に取材した内容で、写真はすべてイメージです。
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