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艶やかな祇園界隈から八坂神社を右手に行くと、静けさに包まれた懐かしい情景に身を包まれる。長く連なる石畳“ねねの道”、軒を連ねる日本家屋、見上げれば秀吉の夫人・北政所ゆかりの高台寺…。まさに“はんなり”としたロケーションに佇むのが料理旅館「元奈古」だ。この屋号は万葉集の中からとった言葉で、古い都という意味。その昔、高貴な人々が集い、憩う社交場の名称だったとも言われている。
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味わい深い土壁を眺めつつ瓦屋根の玄関をくぐると、正面に飾られている年代物の襖絵(板戸)に目を奪われる。足利時代の作品で、唐装束に身を固めた貴族達が踊っているかのように見えるこの絵は、往時の祝いのセレモニー“ぎっちょう”を描いたもの(写真参照)。その上には屋号の記された大きな扇、視線を移せば懐かしい振り子時計。明治時代から時を刻み、今なお心地いい音色を響かせる。屋内のそこかしこに芸術的な欄間があり、四季を移す日本庭園が心を洗う。手足を伸ばしてくつろぐも良し、付近の名所旧跡をめぐるも良し。夕食はそれぞれの部屋で、京野菜などの旬を奏でる会席料理に舌鼓…。この満足感が手軽な料金で手に入るのだから、リピーターや連泊の利用者が後を絶たないのも無理はない。
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