
城下町の面影を残す亀岡市の中心地に、風格ある構えを見せているのが料理旅館の「楽々荘」だ。歴史を感じさせる建物は明治の昔にトロッコ列車を創設した田中源太郎の旧宅だったもので、玄関と洋館、日本建築の一棟が国の有形文化財に指定されている。650坪に及ぶ庭園は平安神宮の神苑を手がけた明治の名工小川治兵衛の作。この由緒ある佇まいの旅館を現代的なオーベルジュに変えたのが、現当主の中田智之氏だ。
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文化財の面影はそのままに、客室はモダンなしつらいに改装。海外の高級家具や寝具が据えられ、ジャグジーや半露天の風呂が各部屋に用意された。施設内にはイタリアンレストランもオープンし、食事も和洋が選べる。宿のすみずみにまで行き届いた美意識とこだわりは何とも心地よく、部屋にいるだけで時間はあっという間に過ぎていくよう。大人が心からくつろぐ場所であるために、6歳以下の宿泊を断わる配慮も心憎い。観光地京都の目と鼻の先にありながら、この宿だけを目的に訪れる客が大半というのも頷ける話しだ。心と体に優しいとっておきの宿として愛したい。
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