
寺町から烏丸にかけての三条通は、レトロな洋館や老舗店、若者向けのショップが混じり合って軒を連ね、行き交う人々でいつも賑やか。その通りに溶け込むようにして建つ木造二階建ての大きな旅館が日昇別荘だ。隣に建つ別館との間に小さな門があり、玄関へと細い露地が続く。もともとは江戸の豪商 有来新兵衛(うらいしんべい)の屋敷跡で、建物の棟木には天明八年(1788)に建築されたときの棟梁(とうりょう)一門の印が残されていると言う。幾度かの建て替えを経て現在の姿になったが、広々とした館内の間取りや鎌倉時代の石塔が残る庭園などに、往時の大邸宅の面影が残る。 |
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宿を切り盛りするのは、京都で生まれ育った女将の田中美岐さん。茶道に通じ、書や水墨画を嗜む才人で、宿のもてなしやしつらい、料理の献立、盛りつけにいたるまで、細やかな心くばりを行き届かせている。庭園には茶室もあり、茶懐石やお茶会体験を行うことも。京都らしさを味わい、温かなもてなしに心がときめく…この宿ならば素晴らしい旅の思い出が残せそうだ。 |