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二条大橋のたもと、鴨川べりに建つホテルフジタ京都の開業は昭和45年。建物は俵屋旅館も手がけた建築家・吉村順三氏による設計で、シンプルでありながら品格をたたえた空間が高い評価を受けている。シングルから和室やロイヤルスイートまで揃う各客室には障子窓や品のよい調度があしらわれ、落ち着いた佇まいが心地よい。ここの自慢は東側の部屋から望む鴨川や東山の景観である。部屋の中にいながら山紫水明の地と讃えられた京都の美しい風景が思う存分楽しめ、五山の送り火の大文字も眺められるというのだから何とも贅沢だ。また、この景観とともにホテルの宝といえるのが、敷地内にある別館の夷川邸だろう。こちらは長州藩出身の藤田男爵が1907年に建てた別邸の跡で、今年築100年を迎える総檜造りの数寄屋建築。現在でも蔵を改造したプライベートスペースをはじめ、各部屋がステーキ割烹の店や宴会場として利用されている。昭和のモダン建築を代表する本館から夷川邸へ向かえば、時間までも遡って旅をしているかのよう。居心地の良さはこのうえも無いうえに、さらに驚きと感動まで与えてくれる心憎いホテルだ。
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