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Vol.3 魚三楼 女将 荒木有樹子さんのおすすめ  
魚三楼 女将 荒木有樹子さんのおすすめ
―――これから寒さが厳しくなりますが、冬の伏見ならではの愉しみは何でしょうか?



 伏見は関西屈指の酒処ですから、やっぱり冬といえば新酒でしょう。昔は朝になるとあたりにお酒の香りがただよっていて、冬を感じたものです。最近は香りまではしませんが、酒蔵の前に杉玉が下がると風情があって。日本酒は鮮度が命ですから、さすがに新酒は香りも旨味も違います。この時期伏見に来られたらぜひ楽しんでいただきたい味ですね。

観光船十石舟

酒造りの歴史紹介やきき酒コーナーなどがある月桂冠大倉記念館、季節限定の生酒や酒造メーカーが作る地ビールが味わえる酒蔵を利用したレストランなどもあるので、そういうところで名酒三昧なんていうのも贅沢な愉しみ方かもしれません。

 また、これは伏見に限りませんが、冬はお野菜もお魚も美味しい季節です。甘みの増した京野菜や脂ののった魚を取り合わせた煮炊き物など、季節の出会いもんのお料理は身も心もほっこり温まります。底冷えのする京都ですけど、冬の京都ならではの美味しいもんを目当てに来られるのもよいのでは?

―――伏見のおすすめの場所や遊び方を教えてください。

寺田家

 伏見といえば全国的には伏見稲荷大社が有名ですが、この辺の氏神さんを祀る御香宮神社や、坂本龍馬や討幕派の志士たちの定宿だった寺田屋など、近くにも見どころはたくさんあるんですよ。伏見は京と大坂を結ぶ水運の中継地だったので、伏見港公園やら、船を守る神さんを祀る長建寺やら、当時を偲ばせる面影もようけ残ってます。

 でも、電車や車で移動するのではなく、自分の足で歩き回るのが一番ではないでしょうか。もともと秀吉が伏見城を築城したことに始まる城下町なので、町名にも大名家の名前がつけられているし、銀座町、両替町、鷹匠町、聚楽町なども城下町の名残。店の前の道、京町通りも京へ続く街道という意味です。銀座はお金を鋳造する場所につけられた名ですけど、日本で最初に置かれた銀座は伏見なんですよ。

魚三楼の玄関

ほかにも維新の史跡、酒蔵のある町並み、御香宮神社境内などに湧く伏見七名水・・・。伏見は町名一つにしても、町のいたるところに歴史や物語があるんです。ガイドブックなどを頼りにせず気ままに歩き回って、一本細い道に入って冒険してみる。きっといろんな発見があるでしょうし、これが一番伏見の魅力を感じられる愉しみ方だと思います。


魚三楼 女将 荒木有樹子さん

<プロフィール>

伏見に生まれ、短大までの学生生活も就職後もずっと伏見という生粋の伏見人。9代目のご主人と結婚してからもお店に出ることはなく主婦業をこなしていたが、2005年から若女将としてお店に出るように。今でもまだまだ緊張するそうだが、部屋のしつらいから接客、事務までを担い、女将修業に日々励んでいる。

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