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女将さんのおすすめ
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Vol.1 柊家旅館 女将 西村明美さんのおすすめ プロフィール
柊家旅館 女将 西村明美さん
---さまざまな魅力が満載の京都ですが、滞在をより愉しむコツというのはありますか?



 そうですね。京都は歴史を積み重ねているだけあっていろんな角度から楽しめる町ですから、良いところを一つおすすめするというのは、実はとても難しいんです。そこで、ご自身の旅の1つのテーマを決めておかれるといいのでは、と思いますね。例えば、花や紅葉などの季節の景色を目当てにするとか、物語の舞台になった場所を訪ねるとか……。そうすると「他にここも良いですよ」と、わたしたちもアドバイスしやすいです。

 それから、観光スポットを訪ねるだけでなく、のんびり道を歩いて京都ならではの歴史を重ねた日常の暮らしに触れてただきたいですね。お客さまで道に迷われた方が「それがすごく楽しかった」っ ておっしゃられたことがありましたが、まさにそんな感じです。本で紹介されたところだけを訪れるのではなく、自分の肌で京の町を感じていただけたらなあ、と思います。お土産なら、デパートで気軽に手に入るものでも実際にお店に足を運んでみはるのもおすすめです。お店の佇まいや近隣の雰囲気も愉しめますし、そこで長く働いているお店の人もいて話しを聞けたりしますから。

---四季折々の女将さんの愉しみを教えて下さい。


自然の風物に心を寄せて眺めてみると四季の美しさが寄り深く味わえる

 わたしは柊家から近い御苑や梨の木神社へよく散策しますが、御苑のなかは町中なのに驚くほど四季の自然に溢れていますよ。また、自宅の近くにある下鴨神社の糺の森では、少し遅めの紅葉を愉しんでいます。冬は鴨川沿いから見る北山の姿がとてもきれい。北山時雨(※)の頃、雲がかかった山の連なりや刻々と変わる景色は、この時期ならではの美しさです。

※ 京都の北山の方から降ってくる時雨。晩秋から初冬にかけての京都の風物詩。

 春はやっぱり桜ですが、京都には必ずどこかのお庭に桜の木がありますし、混雑する名所にいかなくても花見が愉しめます。わたしは南禅寺のはずれにある野村別邸 碧雲荘の垣根越しを散策するのが好きで、お屋敷の庭に咲く桜を軒越しに眺めさせてもらっています。お客様が平安神宮や南禅寺に行かれるときは必ずおすすめしているんですよ。それからほんの一瞬で過ぎてしまう初夏も見逃せませんね。緑がどんどん枝を覆っていく姿が良いですし、爽やかな空気は写真でも伝わりません。

お客様をお迎えするために毎日打ち水される玄関

 人の生涯は青春時代はもちろん、生まれてから老齢の頃まで、その時々の人生の味わいがありますよね。木々などの植物も同じだと思うんです。花の時期が一番美しいのでしょうが、青々とした新緑、紅葉の散る姿や冬の枯れ木なども味わい深い。散りゆく紅葉に自分の思いを重ねるなど、自然の風物に心を寄せて眺めてみるのもいいですね。四季の美しさがより深く味わえると思います。

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