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洛中の真ん中に、築100年になる数寄屋造りの建物を構える「料理旅館・天ぷら 吉川」。建物の立派さはもちろん、狭い間口からは想像もつかないほど広大な庭園には驚かされる。全敷地の3分の1を占める庭は遠州好み。池を中心に石と草木を巧みに配し、調和のとれた美しさを見せている。

食事は本庭や坪庭に面した個室でいただくことができる。季節ごとに装いを新たにする個室で、窓一面に庭の木々を眺めながら手間ひまかけた料理を味わう。これはそうそう経験できない贅沢だ。

吉川といえば天ぷらというほど有名になったのは先代の女将の時。「京会席は1品ずつは美しいが、食べ終わった後に強く印象に残るものがない。これからは外国人にも喜ばれる、吉川の味はこれだというものを作りたい」と考えたのだという。こうしてお店の味になった天ぷらは白大豆の油のみで揚げるので、衣が薄くて軽い食感。素材が生きた上品な味わいには、今までの天ぷらのイメージを変える新鮮な感動がある。 |