|

のどかな山里の風景が広がる京都洛北・大原に、木々に溶け込むように茅葺き姿を見せる一軒家がある。2007年6月にオープンしたここ「とり山卯吉」は、明治初期に建てられた古民家を、当時の面影を残して和やかな空間へとリニューアルしたお店だ。徳島県で手延べうどんの製造・販売、店舗展開を行う「卯吉」と、京都北山に店を構える京漬物の「とり山本店」がコラボレーションしているとあって、釜揚げうどんとお漬物盛り合わせ、しば漬けごはんがセットになった「卯吉御膳」のほか、単品のうどんとしば漬けおにぎりがいただける。 この店用にあつらえている細くてしなやかな食感の京うどん、季節ごとの素材を生かした、どこまでも上品な味わいの京漬物は、どちらも京都ならではの味覚。木の温かさを感じる造作に身を置き、四季折々の草木が咲き継ぐ庭を眺めつつ、それらの味覚をかみ締める。素朴でありながら、心の底からホッとするひととき――これぞ山里を旅する妙味だろう。 |