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路地に入れば、昔ながらの機織(はたおり)の音が今も聞こえる西陣の地。ここに昭和8年(1933)から店を構える「天喜」は、天ぷらを中心に四季折々の味覚を盛り込んだ京料理を会席コースでいただけるお店。千本通りに面した玄関に入ると、表からは想像できない奥深い空間が広がり、訪れた客を驚かせる。カウンター席を右手に通路を抜けると、秋は紅葉が美しい中庭へ。大きな鯉が泳ぐ池に掛かる橋を渡り、奥座敷へ向かう。

ここの名物は言わずと知れた天ぷら。会席料理のメインの一品として、創業時代から変わらぬ味を守り続けている。活きのいい魚介類や新鮮な京野菜などをカラリと揚げた天ぷらは外国人客にも人気が高く、国賓クラスの来店も数多くあるという。

とはいえ、構える必要はまったくない。美しく盛り付けられた八寸や先付、煮物椀に天ぷら。どういう順に食べたらいいのかなど気にせずに、好きに楽しんでいただきたい、と三代目は言う。もちろん、聞けばおすすめの食し方も教えてくれる。女将はワインのソムリエ。地下にワインセラーがあり、和食に合うワインを取り揃えている。
近くには学問の神様を祀る北野天満宮や西陣の古い町並み。織成館(おりなすかん)などのぞいた帰りに、立ち寄ってみるのもいい。 |