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高瀬川沿いに風雅に佇む「たん熊本家」は、“料理の神様”と謳われた栗栖熊三郎の創業。今は二代目熊三郎を襲名した当代主人が、この初代の料理を、時代のニーズに合わせつつ再現している。「うちの料理は”もんもな“料理です」と微笑む主人。それは、おいしいものを素直に出す、というストレートにしてシンプルな発想。よい素材を選び、よい加減に調理し、よい量を盛り付け・・・技と経験を積み重ねてこそできる、料理の極致といえいるだろう。奇をてらうことも華美に走ることもない、それこそが「たん熊本家の料理」なのだ。

春は極上品といわれる塚原たけのこを、時節に応じて若筍煮や直がつお煮に、お造りは明石鯛、夏は琵琶湖の鮎や瀬戸内の鱧、秋は丹波のまつたけ、冬はまながつお、名物のうずら饅頭・・・。季節を代表する味わいに、歴代首相など政財界のトップも舌鼓を打った。会席料理で椀代わりに出されることもあるすっぽん鍋や、予約分だけ作られる手間隙かけた昼の祥華堂弁当も楽しみ。「松花堂とは人の名前。勝手に使うのはよくないという創業者の思いから、祥華堂の字をあてています」。同店に流れる奥ゆかしき精神である。 |