[高台寺周辺]
東山の麓、石畳の続く情緒溢れる石塀小路に面して建つ、料理旅館「玉半」。石塀小路と下河原通に、瓢箪を染め抜いた暖簾をあげ、その敷地すべてが、国と京都市の重要伝統的建造物群保存地区に含まれている。また、あの「ミシュランガイド京都・大阪」にも掲載されるなど格調高い宿でありながら、「鯛めし」のセットで980円と聞けば、誰もがきっと驚くだろう。一度は足を踏み入れたい憧れの名旅館が、食事での利用なら、ぐっと親しい存在になるのがうれしい。八坂神社、高台寺、清水寺など東山の名所旧跡に、歩いて行ける立地も魅力。
「玉半」で、昼夜を問わず人気があるのが、「鯛めし、京のだし巻き、鴨饅頭のあんかけ(季節により変更あり)」のセット。鯛めしは、鯛を丸ごと一匹焼き、ほぐしてから炊き込んだもの。香ばしく、ふわっと磯の香りが広がる。「京のだし巻き」は、ふんわり柔らか。だしがじゅわ~と染み出て、料理人のこだわりが感じられる逸品。「だし巻きがもう一度食べたい」と、店を訪れるお客様が多いというのも納得だ。ほかに、鴨丼など季節の丼、天ぷらなどがリーズナブルにいただける。
会席料理は、本来は宴席の料理のこと。それだけに、「みなさんの会話が弾むような、食べて本当においしいと思っていただける料理をお出ししたい」、とお店の方は口を揃える。だからこそ「玉半」の料理は、創作にも華美にも走らない。旬の幸をふんだんに盛り込み、それらの風味を自慢のだしでさらに引き立たせる。そんな“昔ながらの京の味”がしっかりと守られている。
一歩中へ入れば、桜の大木がお出迎え。玄関には橋本関雪筆の額、竹内栖鳳の色紙が貼られた衝立が飾られているなど、この宿が、文人らに愛されてきたことを物語る。また「愛染かつら」で知られる作家・川口松太郎の隣家を購入して増設。客室として使われている。日本庭園には四季を通じて何かしらの花が咲き、東山から鳥たちもやって来て、お客様の心をなごませる。