
渡月橋から桂川に沿って西の方角(上流)向って10分足らず歩くと右手は隆起して裏山へと連なるその山肌にはりつくように建つのが松籟庵である。
もとは近衛文麿公が特にお気に入りの建物で、「近衛さんの別邸」と呼ばれていたという。松籟庵の名も公の命名で、その直筆の額が庵に現在も掲げられている。平成17年(2005)8月、書画家である小林芙蓉御夫妻が、入念な改修工事を経て、書画を楽しみながら湯豆腐を味わえる店として開設した。
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内部には広間や小部屋などがあり、桂川にせり出すように建っているので、どの窓からも手が届きそうなほど間近に緑が迫り、枝を透して川の流れが見える。周囲は静寂に包まれ、行き交う船の櫓(ろ)をこぐ音だけが響く。そんな別世界に身を置いていると、ここが観光地嵐山であることを忘れてしまうほど。
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料理は湯豆腐懐石の1種類で、有名な森嘉の豆腐を使った湯豆腐、樋湯葉の揚げ物や揚げ出し豆腐といった内容。森嘉の豆腐はだしをよく吸い、まろやかな味わいが特長だ。
自然の景色と静けさ、澄んだ空気、そして身も心も温まる湯豆腐。お店を訪れるには少し歩かなければならないが、それ以上の感動と安らぎが待っていてくれる。
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