[先斗町・木屋町]
高瀬川のせせらぎを聞きながら木屋町をそぞろ歩くと、格子を設えた意匠に千鳥の提灯が目に入る。知る人ぞ知る京会席の店、「雪月花」だ。新鮮な京野菜など地元の食材を活かしながら、従来とは一味違うアレンジを加えた新感覚の京料理が味わえる。店内には趣の異なる大小様々な個室があり、年配の方から若いカップル、お子様連れのお客様にも利用しやすいと好評だとか。夏季の川床は掘り炬燵式で設えてあり、東山を一望しながら愉悦のひとときを堪能できる。
昼食は木箱の升目に季節料理を盛り合わせた式部弁当や雪月花御膳が人気。いずれもデザート付きで、リーズナブルにいただける。夜の会席料理は数種類用意され、品数は10品前後。有名ホテルで腕を奮っていた料理長渾身の品々は、目に華やかで香り高く、食してなお鮮明な印象を胸に刻む。アラカルトに人気なのは生麩田楽焼。3種の生麩を柚子味噌、うに、赤味噌、木の芽など、いろんな味で愉しめる。ほかには京都産賀茂茄子とおじゃこのサラダなど、京の名産をユニークなアレンジとともに味わえる。
落ち着いた雰囲気の玄関に立つと、和装の仲居が笑顔でお出迎え。「おこしやす。さあどうぞ」の声に導かれ、柔らかな照明に照らされた店内の小道を歩くと、たちまち古都の風情に包まれていく。食事を愉しむ部屋には洋風の椅子席と掘り炬燵式があり、上質の和紙などを使った内装と気品あふれる調度品が格別な空間と時間を演出。部屋の大きさやムードが違えば、飾り付けの花も微妙に違うとか。完全個室制で、2名からでも利用できるというから有り難い。
夕涼みのひとときをゆったりと寛いでほしい-。そんな思いを込めた川床は、全席掘り炬燵式の設え。テーブルは大きめで、また客席の間隔が広いので、心身ともにリラックスしながら食事と景色を愉しめる。川床の会席料理にも、風流なアレンジを効かせるのが「雪月花」流。これも月替わりであるが、例えば合肴に「京都産賀茂茄子の揚げ出しと牛ロース」の組み合わせは珍しいと好評だ。鱧落としや「鮎汐焼」などは旬を好む食通はもちろん、左党の琴線に触れる一品と言えるだろう。