京福電鉄嵐山駅に併設する商業施設「嵐山はんなりほっこりスクエア」の2階。およそ120席のゆったりとしたスペースは、大きく開かれた窓ごしに風光明媚な嵐山の山々や天龍寺境内などが望め、文字通り、心から“ほっこり”できる雰囲気。この店では、御膳や手頃な懐石をいただくことができ、これらに付く丹波産黒豆の「おこわ」と「嵯峨豆腐」が名物となっている。どちらも京都の特産品であることで、観光客にとても喜ばれている。
いずれの御膳や懐石も最初には「京風おばんざい大鉢盛」、締めには「黒豆おこわ」が出る。おばんざいは鉢に4〜5品が盛られ、食べ応えたっぷり。季節の京野菜をメインに使い、京都の家庭で好まれる品のある薄味で、素材の味を生かしているのが特徴だ。また、たとえば茄子とニシン、棒ダラと海老芋など、旬同士の“出合い物”も楽しみ。おくどさん(竈)で一気に蒸し上げられる「黒豆おこわ」は、熱々でほくほくのご飯とお豆がたまらない!ほのかなヒバの香りも鼻をくすぐる。
嵯峨野は、散策コースとして観光客でにぎわうところだが、豆腐のおいしさでも知られる。同店では、地元で作られる嵯峨豆腐を使用し、湯豆腐を提供している。この豆腐の特徴は、ふわっと柔らかい上に火を通しても煮崩れせず、ツルンとした舌触りが楽しめる。かつお節やいりこでダシをとる専用の豆腐ダレは、やさしい甘さとすっきりとした味わいで、大豆の香りを引き立たせる。夏季には数量限定で「辛子豆腐」が登場。こちらは冷奴で楽しめる。
かつて蔵に利用されていた重厚な玄関の扉を開けると、昔懐かしいおくど(竃)さんがある。店内はアンティーク家具や、嵯峨野にふさわしく欄間や間接照明に竹をあしらうなど落ち着いた佇まい。京都の風土をたっぷりと感じさせながら、テーブルに椅子席というモダンなスタイルで、気軽に利用できると好評だ。素材重視の料理とともに、このレトロモダンな店の造りは、特に熟年層の夫婦連れや女性客の人気を集めている。