むかでや ほんてん

[四条烏丸周辺]

本物の京町家と旦那衆のもてなし料理

元・呉服商の町家を再生

京都 グルメ「新町 百足屋」

虫籠窓に紅殻格子の古い町家が今も多く残る新町通に、おばんざい懐石の「百足屋」はある。まず空間について見てみると、京町家の再生に取り組む「くろちく」が手がけた最初の建物で、明治中期に建てられた呉服商の町家を、骨組みはほぼそのままに、見事に復元。店内は、石畳の通り庭が奥へと伸び、土間、おくどさん(台所)、唐紙のふすまを配した「黒竹の間」などいくつかの座敷が並ぶ、まさに京町家の典型“うなぎの寝床”の形式。当時と同じように、ちゃぶ台で食事をするなど、そこここに、懐かしさが溢れている。

座敷蔵やステンドグラスの座敷も

一番奥は座敷蔵。骨董に囲まれ、ほの暗い雰囲気の中で、密やかな時を過ごすことができる。また蔵前の座敷「室屋」には、欅の大柱があり、昔の重厚な京町家の造りがしのばれる。階段箪笥を使って2階へ上がれば、窓に市松模様のスタンドグラスを配したクラシカルな雰囲気の座敷。祇園祭の際には窓が開けられ、目の前に巡行する鉾が見られる特等席に。空いていれば、希望の部屋を指定することもできる。

京都 グルメ「新町 百足屋」
京都 グルメ「新町 百足屋」

京の旦那衆の心を味わう

かつて室町界隈の旦那衆は、客人をもてなす際、我が家のおばんざい(家庭料理)に、仕出し屋などの料理を加えてふるまったという。これを再現したのが「おばんざい懐石」。懐石を味わうほどに気取らず、おばんざいほどにカジュアルでもない、旦那衆の粋な心配りが反映されている、といえるのではないだろうか。

京都 グルメ「新町 百足屋」

名物はアツアツのおこわ

コースの中で、ことにおばんざいを意識したのは、前菜だろう。菜っ葉の炊いたんや、胡麻和えなど、京のおふくろの味が素朴ななかにも、どこか新鮮。これに旬の魚介、京野菜や湯葉、生麩、豆腐といった京独特の食材を盛り込んだ料理屋の味わいを組み合わせ、最後は名物の黒豆おこわが登場。おこわは、おくどさん(台所)の竈で蒸される。

京都 グルメ「新町 百足屋」
京都 グルメ「新町 百足屋」

界隈の風情を楽しむ

食事の前後には、京都らしい町並みが残る新町・室町界隈を散策するのもおすすめ。また機会があれば、ぜひ祇園祭の頃に訪れてみたい。南観音山が建ち、7月ともなれば祇園囃子の音色が流れる。宵山の風情も、山鉾巡行の迫力も、一度は体感してみたいものだ。

掲載情報は2007年11月に取材した内容で、写真はすべてイメージです。

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