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嵯峨野の北にある高雄は紅葉の名所で知られるところ。栂尾にかけての山あいには世界遺産の高山寺をはじめ神護寺や西明寺といった名刹が点在している。周山街道沿いは整然と林立する北山杉が美しく、川端康成の小説「古都」の舞台にもなった。

この高雄の自然に溶け込むようにして建つのが料理旅館の「もみぢ家別館川の庵」で、春から秋口にかけては、清滝川(きよたきがわ)にせり出した川床で地元の恵みをふんだんに活かした京料理が楽しめる。春ならば朝堀りの筍が美味で、堀りたてならではの瑞々しく柔らかな味わいに驚くほどだ。夏は天然の生け簀で育てた鮎など川魚が堪能できる川床料理がお馴染み。秋になれば松茸や丹波栗といった山の幸と、主人自ら育てた食材も使い、自然の恵みをたっぷりいただける。冬には部屋に炬燵が用意され地元で獲れる猪のぼたん鍋などが楽しめるのだ。粉雪舞う冬の山々を眺めつつ温かな部屋でくつろぐのも冬ならではの悦楽である。涼やかな川風を受け、高雄の雄大な自然を愛でながら手間暇かけられた料理を味わうひとときは贅沢そのものだ。 |