
京都市街から花背峠を越え、杉林に沿って車を走らせること1時間余り。深い木立ちと清流に恵まれた山あいの静かな里に、ひっそりと風雅な佇まいを見せる美山荘。ここは代々大悲山峰定寺(だいひざんぶじょうじ)の宿坊であったが、現在では山里ならではの自然でもてなす料理宿として都人の心をとらえている。 |
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「摘草料理」と称されるこちらの料理は、早朝に近くの野辺で摘んだ山菜や、畑で採れたばかりの野菜、夏には鮎、秋には松茸、冬にはぼたん(猪)など、食材はすべて地元の山川の恵み。料理人が自ら選び抜いた素材を、愛情もって活かし切るという茶懐石の心を原点としている。素朴なだけの田舎料理とは異なり、盛り付けや器にも洗練された雅びな美しさを湛え、一品ごとに鮮烈な印象と感動を与えてくれる。 |
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母屋と離れの2棟からなる建物は、山里の鄙びた風情と、数寄屋の粋が融け合った木造平屋建て。行き届いたしつらいの中に、女将のきめ細やかなもてなしの心が窺え、ほっと心が和む。日常を離れた別世界に身を置いて、四季の恵みを味わう喜び―まさに古えの雅人の境地そのままだ。 |