
花街のはんなりした風情を色濃く残す祇園。道の両側にお茶屋が軒を連ねる新橋通に面して、「ぎをん萬養軒」が雅びな佇まいを見せる。明治37年(1904)創業、京都で初めてのフランス料理店として知られる老舗だ。皇室をはじめ、国内外の要人にも愛され、2代、3代に渡るファンも多い。平成13年(2001)に四条通りから現在の場所へと移転。欧風のハイカラな「萬養軒」は、京町家を改装した店構えに生まれ変わった。元お茶屋だった築100年の建物に足を踏み入れると、白木を貴重にしたシンプルな空間が広がる。坪庭や梁に町家の名残を感じさせつつも、フレンチレストランらしいモダンなインテリア。坪庭の緑がやすらぎを与えてくれる。幅広い世代に、気軽に楽しんでもらいたいとの店主の思いが伝わってくるようだ。
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料理は、伝統を踏まえた本格的フレンチをベースに、あっさりと軽やかに仕上げるアレンジ加わり、「新」「旧」の時代のニーズを見事に融合させている。本場から輸入された食材に、京野菜が巧みに組み合わされ、美しい盛りつけで仕上げられた皿は、フレンチの美意識を充分に堪能させてくれる。おもてなしの空間に「くつろぎ」という魅力が加わり、印象が一新した今も、老舗の品格を失わない味とサービスは、さすがというほかはない。
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