
かつて高瀬船が運航した高瀬川、その終着地だった一之船入(いちのふないり)の目の前にたたずむのが「豆屋源蔵」だ。前身は作家の井上靖氏や大佛次郎氏、画家の山下清氏ら多くの文人墨客(ぶんじんぼっかく)が通ったという茶屋旅荘「近江初」。大正末期に建てられた町家建築の建物内には当時の面影が随所に残り、洗練された意匠にしっとりした空気が漂う。 |
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ここで味わえるのは、自家製の豆腐や湯葉、味噌などの大豆を原料とする素材を使った料理の数々。まろやかさが持ち味の白味噌、滑らかな口当たりの豆腐、優しい甘さが口に広がる湯葉など、豆料理の繊細な味わいとバラエティ豊かさに驚かされる。
「華美に走らず、貧素にならず」「花ハ半開、酒ハ微酔」というのがコンセプト。その心は、飾り立てはしないが技と心をこめた料理、前に出すぎないさりげないもてなしなどに生かされている。京らしいゆかしさと奥深さを感じてまた訪れたい気持ちになる、そんな雰囲気がここにはある。 |