
高台寺の隣に数寄屋造りの趣ある佇まいを見せる「菊乃井」は、その名を全国に知られる老舗料亭。3代目主人村田吉弘さんは伝統を守りつつ、常に挑戦し続ける料理人として有名で、海外に日本料理をPRしたり、テレビや雑誌を通じて料理の技法を伝えたり、京料理を身近にするための活動にも余念がない。 |
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懐石になくてはならないのが「季節」である。しかし、「菊乃井」の料理は単に季節の素材を盛り込むというレベルを超えて、旬の食材、繊細な手技、美麗な盛り付けなどのすべてによって器の中に、そして献立全体に、季節そのものが表現されている。また、ボリュームある料理の前にリフレッシュメント的に爽やかな風味の料理を出すなど、献立にも工夫が凝らされ、一品ごとに舌も気分も新たになる。最後まで飽きることなくおいしく味わってほしいという、料理人の心意気が感じられる献立の流れには脱帽。これらの食に加え、座敷のしつらいからもてなしまでが見事に調(ととの)う料亭で過ごせるのは愉悦のひとときだ。 |