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菊乃井(きくのい)

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懐石とは季節を食べるということ
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京都 グルメ 「菊乃井」

挑戦し続ける料理人

高台寺の隣に数寄屋造りの趣ある佇まいを見せる「菊乃井」は、その名を全国に知られる老舗料亭。3代目主人村田吉弘さんは伝統を守りつつ、常に挑戦し続ける料理人として有名で、海外に日本料理をPRしたり、テレビや雑誌を通じて料理の技法を伝えたり、京料理を身近にするための活動にも余念がない。

愉悦のひととき

懐石になくてはならないのが「季節」である。しかし、「菊乃井」の料理は単に季節の素材を盛り込むというレベルを超えて、旬の食材、繊細な手技、美麗な盛り付けなどのすべてによって器の中に、そして献立全体に、季節そのものが表現されている。また、ボリュームある料理の前にリフレッシュメント的に爽やかな風味の料理を出すなど、献立にも工夫が凝らされ、一品ごとに舌も気分も新たになる。最後まで飽きることなくおいしく味わってほしいという、料理人の心意気が感じられる献立の流れには脱帽。これらの食に加え、座敷のしつらいからもてなしまでが見事に調(ととの)う料亭で過ごせるのは愉悦のひとときだ。

京都 グルメ 「菊乃井」
京都 グルメ 「菊乃井」

伝統をふまえ進化を続ける名店

「菊乃井」の先祖は豊臣秀吉の妻、北政所について高台寺へ来た茶坊主で、代々高台寺で茶坊主をしてきた。明治維新後、職を失ってからも料理人をしていたが、現主人の祖父が今の料理屋を始めたという。現主人はその先々代が残した家訓と「菊乃井」スタイルを守りながらも、常に新しさを追求。今も進化し続けている。

京都 グルメ 「菊乃井」

店の味を支える名水

日本料理の命である出汁の味を大きく左右するのが水。「菊乃井」で創業以来使っているのは、京都七名水のひとつ「菊水」だ。「菊乃井」の名は、もともと北政所が茶の湯に用いた「菊水の井」に由来。現在井戸自体は使用していないが、まったく同じ質の水を地下から汲み上げている。

京都 グルメ 「菊乃井」

女将は店のイメージを体現

お客様のお出迎えやお見送りから、仲居さん、帳場、調理場への指示まで、万事を取り仕切るのが女将の仕事。女将は店の顔であり個性であるのだ。女将の村田京子さんも心からの笑顔とやわらかな身のこなしで日々お客様に接し、「菊乃井」ならではのもてなしを体現している。

京都 グルメ 「菊乃井」

菊乃井「時雨めし弁当」

心ゆくまで楽しんでほしいという気持ちは、料理人なら誰もが持つもの。それでも、京の料亭は敷居が高いと思われがちだ。そこで、まずは気軽に菊乃井の味を知ってもらいたいと、先代が「時雨めし弁当」を考案した。この弁当に魅せられ、菊乃井の奥深い懐石料理の世界へと踏み込んでいくお客様も多いという。

村田吉弘氏

村田吉弘氏プロフィール
昭和26年(1951)生まれ。京都祇園円山の料亭「菊乃井」三代目主人。 京都木屋町に「露庵菊乃井」、東京赤坂にも支店を構える。『割合で覚える和の基本』(日本放送出版協会)、『京都料亭の味わい方』(光文社新書)、『和食の素で万能レシピ』(講談社)など著書多数。『菊乃井 風花雪月』の英文版『KAISEKI:The Exquisite Cuisine of Kyoto's Kikunoi Restaurant』(講談社インターナショナル)も海外で発売されている。

掲載情報は2007年1月に取材した内容で、写真はすべてイメージです。
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