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「もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づるたまかとぞ見る」平安の昔、宮廷の女流歌人・和泉式部(いずみしきぶ)が、川辺の蛍によせて恋の歌を詠んだ地、貴船。 御所の御猟場でもあった由緒あるこの地は、古くから「京の奥座敷」として愛されてきた。 その中で、元陣屋「ひろや」は、御猟官として各宮家のご先導を命ぜられてきた家柄。昭和初期、叡山電鉄開通を機に料理旅館を創業した。国内はもとより、海外からも足を運ぶお客様が後をたたない。

山間の緑に映える白壁が、とても美しい純和風の建物。山家(やまが)の風情ある落ち着いた佇まいの客室と、華道や茶道に通じたご主人が設けた茶室「龍庵」。風格ある色合いと品格のある輝きで幻の名石と呼ばれる「貴船石」が使われた岩風呂。そのどれもが、訪ねる人の心に、やすらぎとくつろぎを与えてくれる。

鴨川の源流の一つである貴船川が目の前を流れていく。その渓谷美は何事にもかえられない程の絶景。春の新緑と山桜、夏の蝉時雨と蛍の舞、秋の燃えるような紅葉、冬の吹き積もる雪景色と、刻一刻と表情を変えていく自然の美は、いつ訪ねても訪れる者の心を深く感動させて飽きさせない。 |