はまさく

[祇園]

板前割烹の先駆けとして、王道を歩み続ける誇り

日本初を生み出し続けた老舗

京都 グルメ「浜作」

昭和のはじめ、京都祇園の地で“本邦最初の板前割烹”として開店した「浜作」。高級料理は予約の上、お座敷でいただくのが通例だった頃、新鮮な素材と料理の技を目の前でお見せして召し上がっていただく“割烹”は、保守的な日本料理界に新風を吹き込む一大革命だったと言える。さらに後年には、ある有名なホテルに初めての和食堂を開店し、洋食主体のホテル界に衝撃を与えた。現在、京都「食」道として雑誌の特集など多数取り上げられる本店では伝統の味を守りながらも創意と工夫を重ね、正真正銘の本物を未来に伝えている。

貴紳の方々に愛されて

昭和天皇の即位の礼に伴う饗宴に際して、全国から集められた腕利きの中心的役割を担ったのが、京都における「浜作」の出発点。以来、皇室をはじめ、川端康成、谷崎潤一郎などの文豪、各界貴紳から愛され続けて来た。英国チャールズ皇太子や喜劇王チャップリンなど海外からの賓客も数知れず、かの川端康成に「古都の味 日本の味 浜作」と愛されたというのも頷ける。それだけに伝統を守りながらも、その時代時代の形に変え、未来へつなげる。これぞ老舗のあり方を思わせてくれる。

京都 グルメ「浜作」
京都 グルメ「浜作」

素材と技術を、魅せる

「現在では板前割烹も珍しくないですが、これだけすっきりしたカウンターは希少なはず」と話すのは三代目主人の森川裕之氏。カウンターは樹齢250年の木曾桧製。飾り気のない一枚板だけにご主人の精彩を放つ手元が引き立ち、カウンター越しの会話が弾むというものだ。これが素材調達が困難だった創業当初から変わらぬ「浜作流」スタイルである。鮮度の高い素材と板前の技術に絶対の自信があるからこそ成せるこだわりだろう。

京都 グルメ「浜作」

伝えたいのは、真実の味

「浜作」は京都で初めてふぐ料理を認可されたことでも有名。扱うふぐは今も昔も、南風泊市場(下関)に水揚げされた天然物だ。素材に吟味しつつも、とくに奇を衒ったメニューを出すわけでは無い。「鯛のお造りや出し巻などは、他店にもある定番料理。しかし、ひとくちお召し上がり頂くだけで『あっ、全然違う』とわかっていただけるんです」とご主人。初来店の方にお勧めする「おまかせコース」では、その主人の自信を見事に堪能することができる。「何を注文したらいいのか?」「何を話せばよいのか?」という不安を感じることなく、浜作が追求し続ける“割烹の楽しさ”を味わいたい。

京都 グルメ「浜作」
京都 グルメ「浜作」

不屈の精神を支えるのは…

こうした頑なさの一方、多彩な活動も展開中。店舗二階にサロンを設け、昼はカフェ、夜にはバーとして上質な時間を提供している。主人はラジオの料理番組の出演をこなしながら、お料理教室も開講。自ら料理のあり方と基本、そしてその楽しさを伝えている。他にも某海外航空会社のファーストクラス機内食アドバイザーまでこなしながら、夜は必ず店に立つ。多忙さを支えるのは、やはり料理に対する愛情しかない。

掲載情報は2007年10月に取材した内容で、写真はすべてイメージです。

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