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昭和のはじめ、京都祇園の地で“本邦最初の板前割烹”として開店した「浜作」。高級料理は予約の上、お座敷でいただくのが通例だった頃、新鮮な素材と料理の技を目の前でお見せして召し上がっていただく“割烹”は、保守的な日本料理界に新風を吹き込む一大革命だったと言える。さらに後年には、ある有名なホテルに初めての和食堂を開店し、洋食主体のホテル界に衝撃を与えた。現在、京都「食」道として雑誌の特集など多数取り上げられる本店では伝統の味を守りながらも創意と工夫を重ね、正真正銘の本物を未来に伝えている。

昭和天皇の即位の礼に伴う饗宴に際して、全国から集められた腕利きの中心的役割を担ったのが、京都における「浜作」の出発点。以来、皇室をはじめ、川端康成、谷崎潤一郎などの文豪、各界貴紳から愛され続けて来た。英国チャールズ皇太子や喜劇王チャップリンなど海外からの賓客も数知れず、かの川端康成に「古都の味 日本の味 浜作」と愛されたというのも頷ける。それだけに伝統を守りながらも、その時代時代の形に変え、未来へつなげる。これぞ老舗のあり方を思わせてくれる。 |