
「祇園さゝ木」がオープンして10年。その独創的な料理は創業当初から評判を呼び、みるみるうちに京都を代表する名店の仲間入りを果たした。主の佐々木浩さんが生み出す料理は何しろ美味しく、次は何が出てくるのかとわくわくするものばかり。夜の看板となった造りならば、大きな皿に並ぶ盛り合わせのなかでトロだけは握り寿司で出される。これも「脂の乗ったトロは酢飯のしゃりと一緒に食べたほうが旨い」という信念から。多すぎるように見えるわさびも食べてみると丁度よい分量。一見ダイナミックに見える料理も、細やかな配慮と工夫が凝らされた結果から生まれているのだ。 |
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またここが名店と呼ばれるのには、料理以外にも理由がある。楽しんでいただけているか、居心地はよさそうか、お酒は足りているかなど、佐々木さんは軽快なトークで場を盛り上げつつも、客への気遣いを欠かすことが無いのだ。「『あぁ、美味しかった』より『あぁ、楽しかった』とおっしゃるお客さんがまた来てくれるんや」と笑顔で語る姿からは、客との繋がりが濃密な割烹というスタイルへの愛着が伝わってくる。店は平成18年(2006)の10月、建仁寺の南にある閑静な料亭街に移転を果たし、ピザ用の石釜も導入した。これからも進化を続けるであろうこの名店から目が離せない。 |