[祇園]
白川南通と四条通を結ぶ短い通り“切り通し”に純和風の佇まいをみせる「祇園 おくむら」。木を主体とした店内は、採光が十分に配慮され明るい雰囲気が漂う。オーナーシェフである奥村直樹氏は、本店である「西洋膳所(せいようぜんどころ) おくむら」で父・奥村真三氏のもとで修業を重ね、お箸でいただく京懐石風フレンチの精神を受け継ぐ。木屋町に1号店を開店させた後、地元客にも観光客にも便利なこの祇園を選んだ。和の食材や調理法を大胆に取り入れて、独自の「おまかせフランス懐石」を提供し続けている。
同店は1・2階ともカウンター席が主体。料理人がお客様の目の前で調理し、サービスも行なう、いわゆる割烹スタイルは、「お客様とのコミュニケーションを大切にしたい」との奥村氏の思いの表れ。誰もがライブ感を楽しみ、料理談義に花を咲かせ、満ち足りた時間を過ごすことができる。料理人にとっては、客の反応やニーズをじかに知ることができ、「おくむら」の料理はさらに進化を続けていく。
料理には、天然魚介、和牛などの厳選食材のほか、京野菜、鱧やぐじ(甘鯛)、湯葉、じゅんさいなど、京都ならではの食材も積極的に用いる。バターや生クリームを控えて、あっさりとした味わいに仕上げ、時には、刺身のような一品が出ることも。その繊細なおいしさは、年配客から、若いカップルや女性同士など、幅広い層をとりこにしている。
「おまかせフランス懐石」の特徴は、「いろいろな味を少しずつ楽しめる」こと。前菜数種にはじまり、魚料理、和牛のステーキ、7~8種類から選べるデザートまで品数は多く、一皿の量は少なめに構成されている。また器の選び方や美しい盛り付けにも定評が。九谷焼や古伊万里などの骨董、京都の作家をはじめとした現代作家の器を料理ごとに使い分けて盛り付け、まるで芸術品のような仕上がりに。目と舌をおおいに満足させてくれる。