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東山は清水寺、六波羅蜜寺をはじめ三十三間堂、方広寺、智積院、東福寺など幾多の名刹が集まる地。その門前町の風情を残す一角に、京料理 道楽は創業三百七十年の暖簾(のれん)を守っている。江戸・寛永年間、石田光成の軍司であった島左近の邸跡に豊国神社の参拝客の為の茶店を開いたのが始まりと言われ、現在の店主は十代目。

五代目が考案した「知久也喜」(ちくやき)は山城の青竹に季節の魚や野菜を入れ、竹に含まれる水分だけで蒸し焼きにし、そのまま器として供されることで高名。店も明治期には宮内庁御用達となった。 脈々と受け継がれる伝承料理は勿論の事、季節や料理のスタイルに応じて、店主自らが焼いた器を供し、書画を飾り、花を生け、香を焚く。その料理と空間は、まさに総合芸術である。 京都市の歴史的意匠建造物にも指定されている武家造りの建物には、茶室も配されており茶事・茶会も行われている。しばし、心を江戸の世に留めれば、在りし日の京を感じるだろう。 |